Maidoll Factory
おやっさんは大きく溜息。

「はぁあぁ…道理でいつまで経っても上達しねぇ訳だ」

「えっ…?」

背を向けて自分の仕事に取り掛かるおやっさんを見て、僕は狼狽する。

「ち、違うんですかっ?お客様の為にメイドールを作るのは間違いなんですか?ここは自動人形工房でしょ?」

「おめぇとは語る舌も持たねぇや」

二度と振り向く事なく、おやっさんは黙々と自分の仕事を続ける。

もうどんなに問いかけても、おやっさんが僕に返事してくれる事はない。

こういう時のおやっさんは。

『顔洗って出直して来い』

暗にそう言っているのだ。

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