それでもキミを
―――…
「ねぇ、亜紀(あき)?」
亜紀はあたしの親友。
「ん?なぁに?」
亜紀は少し眠そうに答える。
まだ入学して間もないのに、もう勉強が始まり宿題が出て、みんな疲れている。
亜紀は塾も行っているから寝不足みたい…。
「…栗原って、知ってる?」
「栗原って…。冬小学校の栗原蓮?」
「そう…なの?」
亜紀は何か知ってるっぽい…!
「…栗原がどうしたの?」
「いや…、昨日廊下でぶつかって…」
突然、亜紀が立ち上がった。