殺し屋
「いや、それは無いな」
 あの情報から察するに、『トゥディ』は自分の腕に絶対的な自信を持っている。つまり……、
 ナイフを手に持ち、標的宅に入る。家内には一人の男性が頬杖を付きながら椅子に座っていた。
「……こうも呆気無く倒されると、不快を通り越して気持ち悪いな」
「アンタ、殺し屋『トゥディ』かい?」
「……そうだが、何か用かい?」
 トゥディは笑みを浮かべる。
「悪いな、もうアンタの口に用は無い」
 ナイフを右手に持ち、トゥディに向けて構える。
「やれやれ、人気者だなあ、俺」
 トゥディは椅子からゆっくりと立ち上がり、ポケットに手を入れる。
< 22 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop