殺し屋
 後はただ眼を瞑り、終焉までの時間を過ごすだけだ。
 刹那。
 空を切り裂くような音と共に、頭上になま温かい何かが当たる。眼を開けると、そこには『トゥディ』が左腕を押さえながら立っていた。
「貴様……」
 鉄らしき臭いが鼻を襲うと共に、再度空を切り裂くような音がする。
 刹那。『トゥディ』がナイフをその場に落とし、左腕から血が垂れ始める。
 チャンスは、今しか無い。
 落ちていたナイフを掴み、地面に突き刺す。そしてそれを掴みながら、立ち上がる。
「バカバカ……喋り過ぎなんだよ!」
 持っていたナイフを、『トゥディ』の腹めがけて突き刺す。
 そして『トゥディ』は、悲鳴すら出さずに、その場に倒れ込んだ。
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