殺し屋

　そして、自動拳銃『FN Five-seveN』の分解清掃が終わった頃。上から声がした。
「どうだ?　怪我は」
「悪くはない。どうかしたか?」
「依頼だ。今回は楽そうだぜ」

「此が今回の『標的』か?」
　一枚の薄い紙を人差しで軽く持ち上げる。そこには標的の情報が記されてあった。
「そうだ。依頼者は『ケイン・ヘッケレン』。以前破綻した会社の元社員だ」
　紙に記されている情報を読む。『カイル』……。どうやら、新参らしい。活動開始がつい最近だ。
「その『標的』はその依頼者の会社を潰したらしいな。方法は分からんが、まあそいつは新参だ」
「そんなに魅力的な世界なのか?。此処は」