殺し屋
 右側の椅子には協力者である、『ヌリ』が座っていた。
 ヌリがどういう人物なのか、俺は知らない。だが、少なくとも信頼出来る奴だった。
 そして左側の椅子には、依頼主……クライアントらしき人物が座っていた。
 細身だが決して弱くは見えない筋肉を持つ男性だった。
 俺はヌリの横に座り、クライアントと向き合った。
「どうも私、『TR』と申します。無論、偽名ですが」
 そういい、男性は懐から数枚の紙が入ったファイルを取り出し、俺に差し出した。

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