甘く柔らかく愛して
「でもな…、可愛のおかげかな。ケンカもやめて、普通に勉強して、普通に今高校にも通えてる。ありがとうな。だからやっぱ俺にとって1番って可愛なんだよ」
あぁ…もう、本当に、涙腺が緩む。
知哉ちゃんにとっての1番は、本当に本当に嬉しい。
「…そっか、そうなんだ。ありがとうね」
涙を甲で拭って笑うと、知哉ちゃんが何で可愛がありがとうなの?って首を傾げた。
怖いイメージを裏切るキョトンとした子供みたいな目、好きだよ。
「……知哉ちゃん?」
んー?って、知哉ちゃんの甘い声が耳に響く。
そりゃそうだ。まだ腕の中なんだから。
「離してね?」