甘く柔らかく愛して
「久々にさ、あそこ……行かない?」
私の言葉に満足そうに頷いた知哉ちゃんが言う`あそこ`はきっと……
「そうだね」
2つ並んだブランコと、ペンキが剥げかけた赤いジャングルジムしかない殺風景の公園。
「よく来てたよねー…ここ。懐かしい」
そういえば、ここの公園で知哉ちゃんが他校の人達とケンカをしてるのを見つけて…それに止めに入ってから仲良くなったんだっけ?
「…可愛ー?」
「んー?」
好きだよって笑って言った知哉ちゃん。
「私もだよ」
精一杯の、満面の笑み。
大好きな、大切な…友達だよ。