甘く柔らかく愛して
思い出して恥ずかしくて俯いてると、隣の席の知哉ちゃんに肩を叩かれた。
「な、何?ちやちゃん」
知哉ちゃんって言っても、れっきとした男の子。
ちょっとチャラついてるけど良い奴。
私の大事な数少ない男友達である。
色素の抜けた茶色っぽい髪と奥二重の目はクラスの女子からの注目の的だったり。
耳にも瞼にも舌にも小さなシルバーのピアスが着いててパッと見怖いけど、話したら明るいし面白い。
だから人気があるのもかなり分かる。
「ん、あれ見てみ?」
指差した方向に目をやると、さっき見つめてた向い校舎の亜々人の教室。
「ほら、あーくんがこっち来いってさ」
手招きする亜々人に目が輝く。