甘く柔らかく愛して
「あ、でね!クッキー作ったんだけど…良かったら食べて?」
頷こうとした瞬間、可愛が不満そうに唇を尖らした。
「知哉ちゃんにあげようとしたらね、可愛はいつも失敗するから恐ろしいって。酷いよね。それで他の女の子の所…行っちゃった…」
俺の中で何かが止まった。
動きは勿論、思考も……
「可愛、阿山の事好きなの?」
今度は可愛の動きが止まった。
引きつった赤い顔が、Yesと言っている。