甘く柔らかく愛して

 夢を見た。



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「あら、可愛?どうしたの…?眠れない?」


 
 今とは違う、柔らかい、温かい…お母さんの笑み。




「だってぇ…お母さまぁ。……お父さま、は?」




 凍るお母さんの顔。


 嘘の、偽りの笑顔の仮面。




「…お父様はね、お仕事よ。会社にお仕事をしに行ったのよ」




「そうなの?…またなの……?」





 気づかなかった。


 気づかないフリをしていた。




 たった5歳の私。



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