甘く柔らかく愛して


 お父様を恨んでる。



 だけど…



 好きなんだ。


 お父様だから。







 








「可愛…朝よ。おはよう」




 弱々しくなってしまった母親に軽く声をかけられる。



 本当に小さく見える。



 昔から細くて白くて、綺麗な人だったけど…

  
 今は細いというよりやつれてる。






「…うん。もう起きてるよ…。おはよう」





 笑顔は浮かべない。




 穏やかなフリをした作った声。
< 53 / 68 >

この作品をシェア

pagetop