甘く柔らかく愛して


 耳を疑う事も無かった。


 目を見開く事も無かった。




 ビックリした心情とは裏腹に、笑顔を装う自分の自然が行動に、驚いた。





「…昨日告白したんだぁ……。友達に頼んでカフェまで呼び出して貰ってね…」






 昨日の子は、花音ちゃんの為に動いてたのか…。







「……知哉ちゃんは、私のモノなの」







 目の前の花音ちゃんは、目を見開いて愕然としている。



 
 何言ってるの、と唇が空回りするのをじっと見つめる。





 ふざけないよ、でやっと声が出た花音ちゃんの唇は乾いている。







「ふざけて無いよ」






 あまりにも澄んだ声が出た。



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