甘く柔らかく愛して


 フェンスに寄りかかる亜々人の前に膝立ちして、上目で見つめる。





「何か本当に犬みたいだね。そんなに好きなの、俺の指」





 拒絶しない亜々人の言葉は、良いよって印で…大好きって頷いてから亜々人の指を口に含んだ。





「……ねぇ、ずっと思ってたけど…舐めててどんな気分な訳?」




 不思議そうな、でもいつもとさほど変わらない冷たい目。




「え…べ、別に何も」




 すぐに誤魔化しは淡々とした声に掻き消されて、




「本当の事言ってよね」




 特大サービスの亜々人の笑みは作戦だって、計画だって、分かってても従うしか他が無い。




「…ん、エッチな気分です」




 真面目に、恥ずかしいのに指を舐めながら答えた。




 亜々人が可笑しそうに眉を下げる。



 笑いを堪えて、指で欲情するのかって頭を撫でるから、恥ずかしさに俯く。



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