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「では、次の質問です」
「はい」
「同棲について、どう思いますか?」
これはこれは、なんともタイムリーな質問で。
ちらりと俺を見守る椎名さんの方を見た。椎名さんは気まずそうに目を逸らした。
「良いと思いますよ、同棲。やっぱり一緒に暮らすとなると、それなりにお互いを見つめ合えるじゃないですか」
「二十歳のユウ君には少し難しい質問だったかな?」
「いえ、俺だって興味くらいありますよ。同棲してる友人とかいるんで」
現に今、しようとしてますが何か?
その女性記者は、その後も同棲に関する質問を次々とぶつけてきて。
俺は本心ではないことも何度か言って、その度に椎名さんを見れば、椎名さんはとても不安そうな表情をしている。なんだか俺が虐めているみたいで心が痛んだ。