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それから二人で弁当を広げた。
今日のことを少し叱られ、そしてこれからのことをたくさん話をした。
今の部屋を引き払う手続きだとか、引っ越しの作業のことだとか、色々。
弁当を食べ終えて、俺は風呂に入った。
足も伸ばせないこじんまりとしたバスタブ。そこにアヒルの人形が浮かんでいる。
大きく息を吐いた。
鏡に映る俺は、なんだかやつれて見えた。少し痩せたかもしれない。
シャワーの熱い湯が身に染みる。
俺はシャンプーの容器に手を伸ばした。
「あ…」
俺は浴室から出ると、バスタオルを腰に巻いて、ハルナを呼んだ。
ゆっくりこっちに歩いてくるハルナは、俺を見てぎょっとした。
「シャンプー切れてるんだけど、新しいの取って」
俺の頭から爪先までを舐めるように見てから、うんと頷いた。
なんかちょっとやらしい目をしてたぞ。いや、気のせいか。
しばらくすると、ちゃんと替えのシャンプーを持ってきてくれた。