non title





ユウは俳優になる為に生まれてきたんだよ。
大袈裟な言い方をするけど、それくらいユウにとって俳優という仕事は天職なんだ。
だから言えなかった。
そもそも、なぜハルナと仕事を天秤に掛けるのかが謎で仕方がない。
こんなにも頼りなくなったのは、ハルナの所為とでも言うのか。

それでも近くにいる事でしか、ユウを救うことは出来ない。
それがハルナの幸せでもある。
ユウ以外の人と、解り合うなんて無理なのだから。


それからもユウはしばらく泣いた。
この人を守ってあげたいだなんて、少しだけ思ってしまった。
もうどうにも言い表わせないくらい、この時のユウは弱かったのだ。



< 46 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop