キャンディボトル
「ミサト、なにニヤニヤしてんだよ」


あわてて口をおおう。
それをみながらリョウヘイがニヤニヤと笑う。


「してねえよ!てかお前もニヤニヤしてんじゃん!」


「ははっ、期待してんじゃねーよ」


あごに手をあてながら笑った。


ちぇ、女じゃないってわけね。


内心、ショックだ。
めっちゃくちゃイケメンがきたら気分がわるい。


誰だって、女子が陰でコソコソと「カッコいいよねー!」なんて話してるのをきくとこの辺がムズムズする。


前の学校かえれよ、とか思ってしまう。


心の中で顔のわからない(しかも勝手にイケメンだと想像している)転校生を罵りながら胸のあたりをおさえた。



「なに、胸をいためてんのかい?」


「かえれ、はさすがにひでえな」


リョウヘイの冗談もそっちのけだ。


その時、チャイムがなった。


「まあ、どんなヤツか楽しみにしとけよ。あ」


「ん?」


リョウヘイがさりぎわ、ボソッといた。



「めっちゃカワイイんだってよ」



「はあ?」


カワイイ?
女みたいな男なのかよ。


それもまた女子にチヤホヤされそうだな。
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