涙味のキス




私の手からクマさんのぬいぐるみが
コロッと落っこちる。


私は眠たい目を両手でこすりながら
クマさんを拾い上げ
自分のベッドに置いてから


下の階へと朝食を食べるべく
のろのろと階段を下りた。



「ママぁ~おはよ~」


「あらぁ、ゆりちゃんおはよう」


「まだ眠いの?」

「昨日絵本を最後まで読んだからよー」


もぅー、と言いながら
ママはテーブルに朝食を広げた。
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