涙味のキス
「うん........」
「だぁれ.........?」
懐かしい....匂い.........?
ううん.......おいしそうな匂い。
「僕はここのお店の子供さ」
「山田 秀汰って言うんだ」
「しゅーた?」
「うん」
独特な雰囲気のその少年は
私と同じくらいの年齢だろう。
「僕も今日、誕生日なんだ」
秀汰くんは悲しそうな目でそう言った。
「そうなの........?」
「おめでとう.........」
「うん、ありがと」