涙味のキス
ブォオオオオ.............
私は見えなくなるまで
そのお店を眺めていた。
ちいさなちいさなケーキ屋さん。
どこか懐かしいような、おいしそうな匂い。
「ねぇ、ママ!!!」
「また、来年のお誕生日もここのケーキ買う!」
私は断言的にお母さんに言った。
「いいわよ~?どうして?」
「好きな子が出来たのぉ~♪」
「絶対だよぉー!?」
「ハイハイ、ませた子ねぇ......
うふふ..............」
お母さんは優しく笑った。
その笑顔をみて、
私もなんだか幸せな気分になった。