涙味のキス
「無くなっちゃってるわ.....」
お母さんが悲しそうに言う。
「えええええ!!!!!!!!!!!そんなぁああああ~」
「やだぁ~~~~!!!!!!!」
「うウウーーーー!!!」
「しょうがないじゃないの...」
「静かにしなさい、もう4年生なんだから!」
お母さんはあきれ顔。
「うぇえええッん」
「会いたかったのにぃイイいい!!!」
だだをこねる私。
こんな事したって
彼が来てくれるはず無いのは
小学4年生でもおもおも承知だった。
それでもその時の私には
泣いてだだをこねるしか出来なかった。
「大丈夫」
「必ず会えるわよ、いつか....ね」
「え?」
お母さんは優しく微笑んでいた。