涙味のキス





「僕の名前、思いだせたと思うんだ」


唐突に彼が言う。


「本当に!?」

「どんな名前なの!?」


早く知りたくて.....
この心のモヤモヤを早く
取り除きたくて
私は聞き返した



彼は真剣な眼差しで
私をより一層近くに引きよせた


「驚かないで、聞いてくださいね」


そう一言私に確認し、
私の反応をうかがう様に

自分の名前であろう
一人の人物名を呟いた



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