僕はネコである。



「おうち、いこっか。」



女の子は僕を抱え
立ち上がった。




僕が顔を覗くと

大丈夫だよ

って言って笑った。





その時、
僕は泣きそうになったんだ。





寂しいから、辛いからの
涙じゃなくて



初めて感じた

嬉しさに
僕は泣きそうになった。






だから、

ありがとうって
言いたくて


小さな、小さな僕は




小さく

にゃあって鳴いたんだ。














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