僕はネコである。
距離
少しずつ、少しずつ。
離れていっちゃうような
遠ざかってゆくような
そんな距離を感じるようになったのは
奈々ちゃんが大学生に
なってからだ。
僕は、毎日
家か、家のまわりを
散歩する事しか出来なくて
奈々ちゃんは朝早く学校へ行き
夜に帰ってくるという
忙しい毎日を送っていた。
奈々ちゃんは、
大学生になって
前よりずっと
大人っぽく、可愛くなった。
そんな奈々ちゃんに
僕は家族以上の気持ちを
抱くようになったんだ。
僕に向けられた笑顔は
いつも
すごく すごく
キラキラしていたから。