海の少女と空の少年
階段を上り切って出た広間は、しん…と静まり返っていた。
綺麗に磨かれた床には天井のガラスの破片が散らばっていたが、それを除けば、いつもとなんら変わった様子はなかった。
シオンは辺りを気にしながら部屋の中央―――海の結晶がある台座の方へと向かった。
近付いていくと台座の上の方から、青い光見えた。
微かに輝くその光をみてシオンはホッと胸を撫で下ろした。
(よかった!結晶は無事ね。)
台座の上の海の結晶は、握りこぶし位の大きさで、原石の様にゴツゴツしている。
そして、内側からほのかに青い光を発して輝いていた。
(後は、誰が入って来たのかを調べるだけね…)
シオンはもう一度室内を調べようと足を踏み出した。
と、その時天井の方から音が聞こえた。