海の少女と空の少年
と、その時彼が一歩前に踏み出した。
その先には―――海の結晶がある。
彼は結晶に手を近付けた。
「そこまでよ!!」
シオンが声を上げた。
結晶に触れかけた侵入者の手が止まる。
「それは、私達にとって最も大切な物なの。
あなたに渡す訳にはいかないわ。」
侵入者がシオンを振り返った。
(…私と同じ位の年…)
侵入者は15才位の男の子だった。
背丈もシオンと余り変わらない。少し高いくらいだ。
変わっているのは眼と髪で、見た事のない金色をしていた。
「やっぱり、他のエイムね。
あんたみたいな子供が、ここに何の用?」
シオンは彼をきつく睨みつけた。