海の少女と空の少年
「俺はお前を罰しに来た。」
少年が言った。
渦はもう、大人一人を軽々飲み込めるぐらいの大きさになっている。
「少し喋り過ぎたけどな。
もう時間だ。」
呟くと少年は指を立てたまま、少し後ろに振りかぶった。
「ラウドっ!!」
「じゃあな、カイト!」
少年は指先をカイトへ向けた。
渦は弾かれた様にカイトの方へ向かって来た。
水を巻き込み、力を増しながら迫って来る。
「危ない!!」
思わずシオンは叫んでいた。
瞬間、目の中に青い光が射し込んで、視界が奪われた。