海の少女と空の少年
「それは…」
カイトはちょっと考える様な仕草をして、シオンを見上げた。
「あいつ、俺に向けた攻撃をあんたに反撃されたもんだから、俺達が仲間だって勘違いしたんじゃないか?
あんたの攻撃凄い威力だったし、2対1となると、さすがに分が悪いと思ったんだろうな。」
「成る程ね。」
シオンが頷く。
どうやら一人も怪我人を出していないようで良かったけれど、この侵入者を結果的に助けてしまったのか。
シオンはため息をついた。
「じゃあ、逃げた人の事は後で考える事にするわ。
…ところで、ずっと思っていたんだけれど、カイトあなた…一体何なの?」
シオンはカイトを訝しげに見つめた。
さっきの混乱のせいで、すっかり威勢が削がれてしまったけど、侵入した理由を問いたださなければならない。
一体、この少年は何者なのだろう?