海の少女と空の少年
*第1章

海の都

シオンは、玄関のドアから聞こえて来たノックの音で目を覚ました。

まだぼんやりしている目を擦りながら窓の外を見る。

外はもううっすらと明るくなってきていた。


(時間ね…)


シオンはドアの方へ


「すみません、少し待っていて下さい。」


と言うと、洗面台へ向かった。



鏡の前で顔を洗い、髪をとかす。
肩まで伸びた藍色の髪は、寝癖で見事に跳ねまくっていた。
どうにか髪を押さえつけた頃には、結構な時間が過ぎてしまった。

シオンは最後に、所々に金の刺繍が施されている白いローブを手に取った。

急いでそれに着替えると、玄関へと走った。

シオンは、ローブのフードを被り顔を隠してからドアを開けた。

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