海の少女と空の少年
不意に、先頭を歩いていた男が足を止めた。
「さぁ、シオン様。
到着致しました。」
気が付くと、シオンは巨大な建物の前に立っていた。
大きな扉や壁のあちらこちらに細かい装飾が施されたこの建物は、『海の神殿』と呼ばれている。
ここは、アクエリアムの最も重要な建物の1つで、その大きさも、街で1・2を争うぐらいだ。
男達が扉の前に進みでて、それを押し開け始めた。
やたらと頑丈に造られた扉は、大人の男達でさえ開けるのは一苦労だ。
ギギギギギと音を出す扉を、男達は全力で押していた。