オレの相棒。
「技術が進歩しても試合じゃ勝てない。お前まさか、去年の全国優勝がお前"一人の力"とか思ってんのか?」
「ええ、そうでしょ?最後まで投げたのはオレなわけですし。」
全国優勝するまでマウンドを守り続けたのはオレだ。オレが居なかったら勝てなかったんだ。
オレの言葉に「ふーっ。」と溜め息をついたキャプテン。その目は神風に向いていた。
「お前に必要なのは、努力することだ。技術じゃなくて精神的にな。」
そう言うと、グランドに戻り指示を出し始めた。
そしてオレは、ただ黙々とランニングを始めたんだ。