オレの相棒。
「…話って?」
「あ、あのさ。…俺にもう一度、チャンスくれないか?」
すぐに意味はわかった。要するに、バッテリーを組もうって言いたいんだろうな。
「急だな。この前はあれほど嫌だと言ったくせに」
「永谷の球、アメリカに行っても忘れることなんて出来なかった。永谷の球を受けさせてほしい。」
戻ってこないと思っていた神風が、今オレの目の前に居て球を受けたいと言ってる。
これほど嬉しいことはないはずなのに、素直に「よろしく」と言えない。
「オレ信用出来ないんだけど、お前のこと。」
「…何でもするから、受けさせてほしい。」
「考えとくよ。…今日は帰れ」
追い返すような言い方しか出来なかった。オレを見て何か感じたのか、「おやすみ」と言って神風は帰っていった。