オレの相棒。




オレ達の攻撃は、一番の悠弥から。

マウンドに立っているのは颯太さんで、ゆっくり投球練習をしている。


「俺、塁に絶対出るわ。」

「ああ」


「で、三番の東に回すよ。颯太さんと対戦する機会なんて、めったにないしね。…じゃあ行ってくる。」



いつもにまして眩しい笑顔で打席に向かう悠弥から、目を離せなかった。


颯太さんは悠弥相手に、何を投げるのか。…西条さんがどういうリードをするのか。



---コツン


オレが考えている間に、気がつくと悠弥は一塁ベース上に立っていた。

音からして、外野には運んでない。てことは、セフティーか何かか?


ふと一塁に目をやると、悠弥は居なくなっていて、二塁に盗塁していた。



完全に一人で主導権を握り、颯太さんを翻弄させてやがる…。









< 153 / 320 >

この作品をシェア

pagetop