オレの相棒。
オレ達の攻撃は、一番の悠弥から。
マウンドに立っているのは颯太さんで、ゆっくり投球練習をしている。
「俺、塁に絶対出るわ。」
「ああ」
「で、三番の東に回すよ。颯太さんと対戦する機会なんて、めったにないしね。…じゃあ行ってくる。」
いつもにまして眩しい笑顔で打席に向かう悠弥から、目を離せなかった。
颯太さんは悠弥相手に、何を投げるのか。…西条さんがどういうリードをするのか。
---コツン
オレが考えている間に、気がつくと悠弥は一塁ベース上に立っていた。
音からして、外野には運んでない。てことは、セフティーか何かか?
ふと一塁に目をやると、悠弥は居なくなっていて、二塁に盗塁していた。
完全に一人で主導権を握り、颯太さんを翻弄させてやがる…。