オレの相棒。
■父親の正体
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「ストライクバッターアウト。ゲームセット!!!」
最後のバッターを三振に打ち取り、オレはマウンドから降りた。
九回を投げて、西条さんに打たれたホームランのみの一失点。
試合は二対一で勝った。
グランド整備中、西条さんがオレのところにきた。
「ナイスピッチングだったな。まあ、俺に投げたあの一球は、甘かったけど」
「……どうも。」
「えっと、永谷…だっけ?」
「はい」
「お前、もっといい球投げられる。そのために努力しろよ?そうすれば甲子園にも行けるさ」
そう言って渡された一冊のノート。
パラパラとめくって見ると、たくさんの練習方法が書いてあった。
「これは?」
「颯太が大学に入ってからやったトレーニングの内容が書かれてる。あいつ、高校の時より数倍努力して、今のピッチングがあるんだ。永谷もやってみな?」
颯太さんのトレーニング方法。
確かに興味があった。
「でも、どうしてオレに?」
「本当は俺自身が欲しかったんだけど、今日のお前の球みたら、昔の颯太を思い出してさ。永谷に渡すなら悔いはねえから」