オレの相棒。




少しずつ、会話が聞こえてきた。

颯太さんと苓那さんの声が。


「お疲れ」

「ああ。悪かったな、苓那に投げさせられなくて」


「別にいい。颯太の最後のピッチング見れたし、それだけでいい」

「苓那。」


「ん?」

「俺、プロ行くから。これからも野球、続けてくつもり。だからそんな悲しい顔すんな」


「…してないし」

そっぽ向く結城苓那を見て、横で良かったと呟く悠弥。


「何が良かったんだよ?」

「アメリカで颯太さんに会って凄く悲しそうな顔してたんだ。多分、二人結婚するよ。いいな、幼なじみで結婚なんて。」


一人前に女の顔をする悠弥に思わず顔を背け、颯太さんたちの方を見た。



夕焼け空を背景に、二人が長いキスをしている最中だった。











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