オレの相棒。
「なあ」
「ん?」
「監督の話、なんだったんだ?」
「別に。東には関係ないだろ。」
「…じゃあ、なんで笑わないんだよ」
ああ、別に関係ないさ。
前のオレなら確実にそう言っていた。でも今は違う。…お前の事が気になって仕方ないんだ。
「笑ってるけど。」
「笑ってない。何悲しい顔してんだよ。…練習中もずっと。」
「…わかった、言うよ。監督から女子野球のオファーが来てるって言ってきたんだ。それについて話してたら遅くなった」
女子野球…。
そう言われて悠弥の父親が思い浮かんでくる。
「返事は?」
「もちろん断ったよ。ただ、お父さんの知り合いが監督だから…」
「親父さんが黙ってない、と」
オレの言葉に頷く。