オレの相棒。




「何やってんのお前ら。大和も悠弥は怪我してんだから、病院連れて行くぞ」

---それでもオレは、聞いていないフリをすることを選んだ。


「…兄貴」

「ほら行くぞ。お前は悠弥の荷物持ってやれよ」


さっき悠弥が言ったように、オレも悠弥と甲子園に一緒に行きたい。

それを叶えるまで、オレは言わない。


「お前の父親、なんとかなりそうか?」

「あ…忘れてた。お父さん説得させないといけねえや」


「その必要はない。」


悠弥に肩を貸し、歩いている時、オレ達の横に高級車が止まった。

「お父さん」


「試合、見せてもらったよ。…お前の野球が伝わった。今年の夏は無理だろうけど、来年の春夏には間に合うようになんとかしよう。約束する」


オレの心配はいらなかったみたいだな…









< 201 / 320 >

この作品をシェア

pagetop