オレの相棒。
「何やってんのお前ら。大和も悠弥は怪我してんだから、病院連れて行くぞ」
---それでもオレは、聞いていないフリをすることを選んだ。
「…兄貴」
「ほら行くぞ。お前は悠弥の荷物持ってやれよ」
さっき悠弥が言ったように、オレも悠弥と甲子園に一緒に行きたい。
それを叶えるまで、オレは言わない。
「お前の父親、なんとかなりそうか?」
「あ…忘れてた。お父さん説得させないといけねえや」
「その必要はない。」
悠弥に肩を貸し、歩いている時、オレ達の横に高級車が止まった。
「お父さん」
「試合、見せてもらったよ。…お前の野球が伝わった。今年の夏は無理だろうけど、来年の春夏には間に合うようになんとかしよう。約束する」
オレの心配はいらなかったみたいだな…