オレの相棒。
-----------
試合の途中で結局ベンチに下がった。
久しぶりで全然体が動かなかったのもそうだけど、あのミットは俺には合わない。
そう思って、苓那さんに交代してもらうように頼んだ。
紅白戦、って言ってもお遊び試合みたいなものだけど、さすが大学生だなっていうプレーがいくつもあった。
俺もこの学校でいずれ野球をしたいな。
「悠弥くん、女の子なんだって?ごめん、男の子だと思ってた。」
ベンチで汗を拭いていると、加賀さんが俺の隣に座って言った。
「あ、はい。でも別にどっちでもいいです。俺、野球やってる時は女とは思ってませんから」
俺の言葉を聞き、突然多賀さんは笑い始めた。