オレの相棒。
「言ってみろよ。お前は誰のこと言ってるわけ?」
胸ぐらを掴もうと後輩に一歩近付く。
突然、オレと後輩の間に一本の手が入った。
「多賀直哉。悠弥先輩はその人とどっかに行ったよ、兄貴」
「…大和」
「こいつらの言ってることはほんとだよ。俺も見たからね」
「…悪かったな…」
後輩に一言言って、その場を離れる。
その後ろを大和がついてきた。
「兄貴、知らない?」
「なにを?」
「多賀直哉だよ」
そんな奴オレが知ってるわけないだろ。
そう言おうとしたとき、一冊の雑誌が手渡された。