オレの相棒。
---バシ
ミットにボールが納まるような大きな音が響いた。
その音を聞いて、ハッと我に帰る。
…好きな女を叩いた……。
謝ろうと口を開こうとする前に悠弥の涙が目に入った。
「…東にはわからないよ、俺の気持ち。どうせキャッチャーなんか"誰でも"って思ってるんだろ?」
「それは…」
「もういいんだ。東の中にはどうせ俺に対しての"同情"とかしかないんだろ?俺なんかに球受けてもらいたいとか思ったこともないんだろ?」
そんなこと、思ってねーよ。
「明日の試合、俺は出ない。西条にでも誰にでも、好きなだけ受けてもらって」
そう言い残して、オレの前から居なくなった。