オレの相棒。
悠弥の気持ちを察したのか、金城は黙ったまま何も言わなくなった。
「おい金城。次、お前の打順だぞ?」
「……わかった」
黙ってバットを持ち、バッターボックスに向かう。
「金城くん…!!」
「先輩。……大輔です」
「え?」
「大輔で、いいです。…悠弥先輩」
---結局、初戦は五回コールド勝ち。
オレはノーヒットピッチングで、なんなく初戦を突破した。
「なあ、悠弥」
「ん?」
「良かったな、金城のこと」
「ああ。良かった!!」
「打つほうは四打数四安打。デビュー戦で緊張してたくせに、たいしたのんだな」
五回コールドで、一番打者の悠弥には一番多く打席が回ってきた。
そんな中で全打席出塁して、得点に絡むとは思ってもみなかった。