オレの相棒。
ピッチングフォームを確認しながら、軽く腕を振り下ろす。
すると後ろから声が聞こえてきた。
「カァーン!!ホームラン。ピッチャー永谷、打たれました~!!」
「俺の球が打たれるはずない。」
「はいはい。」
くすくすと笑いながら近づいてきた。
「さっき投げたんだからさ。もう投げんなよ?」
「野球部辞めるやつが今さら人の心配すんなよ。」
「そりゃそうだ。」
昨日の神風とはまるで別人のようだった。表情は明るく、スッキリしていた。