オレの相棒。
それ以来、その場所に行くといつも苓那さんとキャッチボールをした。
いつの間にか大好きになっていて、あたしのお姉さんみたいな存在だった。
----ある日、いつもの場所で苓那は一人で座り込んでいた。
「苓那さん…?」
「あ、悠弥。…ごめん、今日はキャッチボールできないや……。」
肩を小刻みに上下している姿は、まるで泣いているように見えた。
「泣いてるの?」
「…あたしの大切な人がさ、肩壊しちゃったの。それなのに、甲子園のために…あたしのためにまだ投げてる…」
「どうしたらいいかな?あたしが野球続けてる限り、あいつ投げ続けちゃう。いっそうのこと…辞めよっかな野球」
その言葉を聞いた時、あたしはとっさに口を開いた。
「…辞めちゃだめだよ、野球。苓那さんが辞めたらあたし出来ないじゃん…」
「…悠弥?」
「あたしも苓那さんみたいに上手くなるから…これからも一緒に野球しようよ………。」