オレの相棒。



「…誰かバッターボックスに立たせて下さい。やる気が出ません」


マウンドに上がったからには自己流でやらせてもらう。バッターボックスに人が居れば、塁にランナーが居れば尚更やる気が出るんだ。



「…いいだろ。タケ、バッターボックスに立て。そして本気で勝負しろ」


話がわかるじゃん~キャプテン。タケと呼ばれたやつは左打席に入った。



右足を下げ、左足を胸元までグイッと上げる。そのバネを利用して、思いっきり腕を振り下ろした。


最高の球が、ミットに吸い込まれる。それと同時にタケ先輩のバットが空をきった。


「待て、タケ。お前がバッターボックスに入れ。」


「わかりました。」



キャプテンが指差した先に居たのは、






神風だった。




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