オレの相棒。
「な…なんで神風がでて来るんだよ。帰れよ!!」
「いや、監督にタケ先輩と代わって来いって言われたんですけど。」
急いでベンチに確認しに行った竹内先輩が帰ってくることはなかった。
「昨日帰ってきたやつがさっそくマスクを被るのかよ。」
「監督の命令だからね。それより永谷がこんなに打たれるなんて珍しいんじゃね?」
マウンドで口を隠しながら喋る神風に背を向け、足元を慣らした。
「…もう、打たせねーから。」
「神風が何かできる状態じゃねえ。お前は、オレの球を黙って受ければいいんだよ。」
グラブで帰れという仕草をすると、神風はしぶしぶホームベースの方へと戻っていった。