オレの相棒。



「なんでオレがここに?」

「苓那からさ、電話が掛かってきて部室で倒れてたきみを俺ん家まで運んだってわけ。」


あの後気を失ってたってことか…。

「肩は結構、傷が深い。投手としては大事な場所だし、無理はするなよ?全治…二週間だな。」


二週間…。そんなに休んでたら甲子園地区予選には間に合わない。

「…そんなんじゃあ甲子園地区予選に投げることが出来ません。なんとかならないんですか?」


「まだ高一だろ?あと二年もチャンスがあるじゃん。」

「あんたも高一でむちゃして、高校の野球人生を棒にふったんだろ?…オレの肩はそんな脆くない。」


オレの言葉を聞き一瞬苦笑したが、「苓那に聞いたのか」とすぐに笑顔になった。



「結城苓那が教えてくれたんだ、あんたの事を。あんたとオレは似てるって」


「確かに俺は高一で無理して、甲子園に行った。でもどうしても苓那を連れていきたかったから、無理した。」



結城苓那のために、自分の野球人生を犠牲にしてまで甲子園に行く必要がどこにあるんだ……?







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