オレの相棒。
どれくらい経っただろうか。神風はふっと離れ、オレにはにかんだ。
「ん…サンキュー。じゃあ俺もう少し練習していくから。お疲れさん」
マウンドの方に向かい、マシーンに球を設置している。オレは…あいつに何をしてやれる?
「それ、退けろよ。」
「…え?」
「オレが投げてやる。」
制服を脱ぎ捨て、肩を回す。少し痛んだが…何とかなるだろ。
「それはダメだって。永谷の肩には甲子園かかってんだよ?」
「まだ一年だし、そんなことどうでもいい。つか早く座れ。」
自分でマシーンを退け、神風に合図を送る。大きくふりかぶってそのまま投げた。
しかし、その球は神風のミットの橋にあたり、フェンスの方へ転々と転がっていった。