オレの相棒。
ただひたすら、階段やグランドを走るメニューばかりでボールを握らせてもらえない。
…オレに投げさせる気がないのか?
そう思いながら毎日走っている。
「あ~だりい。まじだりい。」
オレの横で休んでいるのは、同い年の有山。ポジションは確か…ファーストだったはず。
こいつも監督命令で走らされてる。よくサボり、監督に怒られてるっけ…。
学校も夏休みに入り、1日練ずっと走らされるのもまあキツいけどな。
「永谷、今日はもう終わりだって!!」
神風が階段の下で叫んでいる。それを聞いて、走るのを止め下に降りる。
「お疲れ、永谷。」
「ああ。」
スポーツタオルに顔を埋めると汗が滴り落ちてくる。…今日も暑いな。