フロックス
高そうな外車の助手席にのせられ…。私は…ジッと家をみた。
「悲しいか?」
「いいえ…」
それしか言えない。
昨日あったばかりの男の人と暮らす…なんて怖い。
でも家族の幸せを考えると…こんなの平気。
「……大丈夫だ。悪いようにしないから」
「はい。」
そう言って車は走り出した。
「…………」
!!
いっくん?
「…いっくん!」
バックミラーに写ったいっくん。
「絶対に!助けるから!絶対…迎えに行くから!」
と、いっくんは叫んでた。
いっくん…ありがとう。
私は……大丈夫だよ…
だから………
「助けるって失礼なガキだな。」
「そうですね。最高のお兄ちゃんなんですけどね…」
「そ、お前は寝てろ。まだまだつかねぇから」
「はい…」
私は言われるがまま…
寝てしまっていた。